どうも、べーこんです。
さっそくですが、皆さまはタダフサという包丁メーカーをご存知でしょうか?
タダフサは刃物の街新潟県三条市に本社を構えており、古くから受け継がれている高度な鍛冶の技術を伝承させ続けております。
そのタダフサの名前を世の中に爆発的に広めた商品、それが今回私が購入した、
いや、ようやく購入することができた包丁、
パン切り包丁
になります。
タダフサのパン切り包丁が世の中に知れ渡ったきっかけは、テレビ番組「マツコの知らない世界」で紹介されたことのようで、一時期は直販サイトで買った場合1年以上待ちになっていたらしいです…
今回はそのパン切り包丁の注文から初使用までの経緯と感想を記してまいります。
売り切れ多発のタダフサのパン切り包丁を探してみたところ…
私が最初にタダフサのパン切り包丁を買おうとしたのは今から2年ほど前のことです。
当時はまさに注文が殺到していた時期、どのショップを見ても売り切れ、納期不明、メーカー要問い合わせ…
たまに発見できてもプレミア価格が付いていて、とても買おうとは思えない状況でした。
時は流れ、2020年の10月。
我が家ではコストコのワインやチーズ、そして自家製ベーコンなどが流行しており、パンを嗜む頻度が増えておりました。
パンは主にバケットなどのハード系を食していたのですが、普通の三徳包丁でカットをするたびに、
綺麗に切れるパン切り包丁欲しいなぁ
なんて思いに更けることもしばしば。
そこで思い出したのが今回の包丁でした。
まだ品薄なのかなぁととりあえずネットで調べてみると、Amazonではいまだにそれなりの上乗せ価格がついておりました。
ちなみに、定価は9,500円(税込10,450円)です。
定価でも結構なお値段がしますが、プレミア価格がついてしまうと、これでも安く感じてくるのが不思議ですね。
Amazonで買うのはとりあえず保留するとして、それなら楽天はと検索をかけてみました。
すると…
え、定価で販売されているじゃないですか!
しかも、お店によっては送料無料!
テンションが上がった私はその場でプロキッチンというお店に入り、即ポチしました。
そしてその4日後に早々と、特徴的な細長い形の段ボールが届いたのでした。
所有欲を満たしてくれる上質な素材とフォルム
小説家が原稿用紙を入れるときに使う封筒のような段ボール包装を説いていくと、切り抜かれたスペースにぴったりと格納された刀身が顔を出しました。
付属品は本体と説明書の2点ととてもシンプルです。
保護紙を剥がすと鈍い光を放つ特徴的な刃が現れました。
波刃が先端部のみに備わっている点が最大の特徴です。
後ほど解説しますが、この部分で切れ込みを作り、後に根元のフラットな刃先で引き切るというシステムです。
そして肝心のブレードの構造は、パン切り包丁では珍しい完全3層(鋼:SLD鋼/地金:ステンレス)
鋭い切れ味を叩き出す鋼を錆びにくいステンレスで挟み込む構造は、比較的高級な包丁に用いられます。
パン切り包丁は基本的にオール波刃であるため、ノコギリのような力を使う切り方をサポートするための強度を優先したステンレス一色の構造が多いわけですが、
波刃を先端のみに搭載しているタダフサの場合、基本的には平面の刃でスッと切ることを想定しているため、通常の包丁のように切れ味を求められます。
そこで中心部にステンレスではなく鋼を使用することで、パン切り包丁とは思えない新感覚の切れ味を体感できるとのことです。
全体に占める柄の部分の割合としては若干短めな印象です。
ただ、牛刀などとは違い重量がないので手に持った時の先重り感は全くありません。
使用している木材は、抗菌炭化木という栗材です。
腐食しにくい加工を施しており、しっとりと手に馴染む触感が長続きするそうです。
個人的な趣味なのですが、包丁に求めたいのがハンドルとブレードの継ぎ目の構造。
この包丁のように、継ぎ目もとい接着面がしっかりと金属部分に厚みを持たせて密着しているタイプは、水分が入る余地を与えず、腐食を限りなく防ぐことができます。
例えば包丁によってはハンドルに刀身が刺さっているタイプタイプがありますが、個人の感想としては一体感や、重心の偏り方からもあまり好みではありません。
料理には必ず使う大切な道具ですから、可能な限りこだわりたいですよね。
タダフサのパン切り包丁の切れ味の秘密を発見
うっとりするような造形は見ているだけでも楽しめますが、そろそろ実際に使ってみましょう。
この日は別にパンに合わせたいものなどなかったのに、わざわざ近所でハードブレッドを買ってきてしまいました。
タダフサ公式サイトの説明によると、留意点は下記の通り。
◎先端にある波刃で、パンの表面に切れ目を入れ、そこをきっかけにして大きくまっすぐに刃を引きながら、パンを切り進めてください。
http://www.tadafusa.com/archives/793
◎ハードパンの表面は、一般的な食材のなかでは最高度の硬さです。硬いパンを切る際は、先端の波刃部分を最大限に使い、表面全体に切れ目を入れてください。
http://www.tadafusa.com/archives/793
◎表面(外皮)下の弾力のある中身は、直線部の刃を大きく使って引き切りしてください。
http://www.tadafusa.com/archives/793
最後の底部分も表面同様に極めて硬くなっています。さらに、まな板への加圧もあるため、普通に切ると刃に大きな負荷がかかります。波刃を使い、最後は先端を立てて丁寧に切り分けてください。
※ハードパンに特化した製品ではありません。表面がかなり硬いハードパンになると、正しくカットしても刃欠けする恐れがあるので、他社製の庖丁など使い分けるようにしてください。
◎真っすぐに力を加えてください。捻ったり捏ねたりすると、刃欠けや曲げ・歪みを起こしてしまう可能性があります。
http://www.tadafusa.com/archives/793
◎刃を傷めにくくするためにも、できるかぎり木のまな板をお使いいただけるようお願いいたします。
http://www.tadafusa.com/archives/793
チェック項目が多いですね!
とにかく、公式のお言葉通り、波刃できっかけを作って、残りはフラット面でまっすぐ切り分けていきます…
ゴリゴリ
ザッ
スッ
…
いかがでしょうか?
確かに、通常のパン切り包丁を使うとボロボロになりがちな断面があまりにも滑らかにカットできております!
当然パンくずもほとんど発生しませんでした!
普通の包丁で切ってもこのような断面にはなるのですが、切れ始めるまでにどうしてもストレスが発生してしまいます。タダフサのように切れ込みを入れられる波刃が先端にだけ備わっていることで、まさにきっかけが作りやすいんです。これは確かに発明だと実感できました。
そして、今回使ってみたことで、公式にも載っていないもう一つの構造上の特製を発見しました。
この包丁、よく見ると写真のように若干反っていることがお分かりになりますでしょうか?
反りがあることで発生するのが、刃の中心部だけがまな板に接地するという状態です。
この包丁は、最初に波刃で切れ込みを作り、あとは普通の包丁のように刃を食材に擦らせるイメージで引いて切るというプロセスでパンを切り分けていきます。
もし、この刃が反っておらず完全平面であったとしたら、パンを最後に切り分ける際に到来する焼き目の硬い部分を断つのにそれなりに力が必要となります。
公式では最後も波刃で切り分けるよう言付けがありましたが、反りがあることで圧力がかかりやすくなっているので、コツさえつかめば波刃だけで最後までシームレスに工程を進めることができてしまいます。
緩やかなカーブを描くデザインは、ビジュアルだけではなく、切り心地向上にも貢献していたということです。
定価で買えるようになった今だからこそ使って欲しい名刀
見て満足、触れて満足、そして使って納得!
高価にもかかわらず高い評価を得ている理由が分かるパン切り包丁でしたね!
なお、今回はセミハードブレッドに使用しましたが、切れ味がよくて断面が滑らかに仕上がるこの包丁は柔らかい食パンや崩れやすいサンドウィッチなどに真価を発揮すると思います。
人気に火がついてから数年たった今、ようやく定価で買える環境になってきた今だからこそ、改めてこの包丁を色々な人に知ってもらい、そして多くの人に使ってもらいたいと思いこの記事を書きました。
パン好きな方はもちろんですが、たまにしかパンを食べないという方にも強くオススメしたい逸品です。
きっとパンを食べたいという気持ちと同じくらい、パンを切りたいという感情が沸き起こってくると思いますよ笑
ではでは。