「自家製ベーコン」
それはプロアマ問わず、世の中のすべての食を愛する人々とって燦然と光り輝く、
文字通り垂涎(すいぜん)の食材といって間違いないでしょう。
…すみません、
それは多少言い過ぎかもしれませんが、
とにかく、手作りベーコンに夢を見る人々は世の中に数多く存在し、私もそのなかの一人というわけです。
ちなみに私の名前は、この食材を愛するがゆえに勝手に拝借した次第です。
今回は、私べーこんが、絶品手作りベーコンの簡単レシピを備忘録がてら、半ば自分のために記していきますので、もしよろしければ参考にしてみてください。
なお、今回は室内で作りましたが、意外と薫製中の匂いも気になりませんでした。
写真も多めに使用し、出来るだけ誰にも分かりやすいように解説させていただきます。
材料
仕込み
自家製ベーコン(仕込み)
材料
- 豚バラ肉ブロック 627g(大きめがよい)
- 塩 14g(肉の重さの約2%)
- 砂糖 6g(肉の重さの約1%)
- ローズマリー 小さじ1(なくてもOK)
- ローリエ 1枚(なくてもOK)
道具
- キッチンペーパー
- ジップロック
今回私が推奨するレシピは非常にシンプルで、
塩、砂糖、豚バラ肉
最低限これらがあれば美味しいベーコンが作れてしまいます。
他にも、ソミュール液という塩や砂糖、ハーブやスパイスなどを煮込んだ調味液を使用する方法もありますが、個人的にはお手軽バージョンでいいかなと思います。
薫製
自家製ベーコン(薫製)
材料
- 熟成させた豚バラ肉ブロック
- 薫製チップ 50g程度
- 砂糖 20g程度
道具
- フライパン(鉄製が望ましい)
- 網(焼き肉に使う金属製のものなど)
- アルミホイル
- フライパンに被せるもの(蓋やボウルなど)
仕込みが終わったら、いよいよ薫製です。
フライパンと蓋、網、スモークチップ、砂糖があればOKです。
作り方
仕込み
1. 豚バラ肉の重さを元に塩と砂糖を計量します。今回は627gのブロックを使います。ジャパンミートのイタリア産ホエー豚には毎回お世話になっております。
2. 肉に対して2%の塩を量ります。正確には12.54gですが、今回はやや多めの14gとしました。
3. 砂糖は1%に相当する6gきっちり量りました。
4. キッチンペーパーで肉から出ているドリップ(汁)をしっかり拭き取ります。
5. フォークなどで肉の全ての面に穴を開けます。これで下味が入りやすくなります。
6. 塩と砂糖をよく混ぜ、肉にしっかり擦り込んでいきます。
7. よく擦り込んでいくと、浸透圧で表面がうるおってきます。
8. ローズマリーやローリエがあれば、ここで肉の表面に揉み込みます。
9. 熟成中に出てくる水分を吸収させるためキッチンペーパーで包んでいきます。5〜6枚程度が適量だと思います。
10. ジップロックに入れて空気をしっかり抜きます。これから4日程度冷蔵庫で熟成させますが、1〜2日に一度キッチンペーパーを取り替えます。
11. 仕込んでから2日が経過した段階です。しっとりしつつも表面が硬く乾いてきています。
12. ここからはジップロックを外し、チルドにいれてさらに2日間熟成させます。
13. さらに2日が経過、仕込んでから5日目です。水分が抜け、表面にビーフジャーキーのような艶が出てきています。
14. ここからは冷蔵庫から出し、風通しのよい場所、もしくは扇風機の前で丸一日自然乾燥させます。しっかり塩や砂糖が染み込み、水分が適度に飛んでいれば腐敗することはありません。
15. 自然乾燥を経て6日目です。ここからは塩抜きという作業に移ります。せっかく乾燥させた肉ですが、表面の塩や砂糖を抜くと同時に、肉の内側へさらに浸透させるために重要なプロセスです。最低でも3時間、時間があれば6時間程度放置します。
16. 塩抜きをすると表面がふやけて白くなってきます。完了したら、再び1日自然乾燥させます。表面が乾いてきたら仕込みは完了です。
薫製
1. 薫製チップと砂糖を混ぜておきます。チップには色々と種類がありますが、私はミックスタイプを使用しています。
2. アルミホイルで簡単な容器を作り、チップを載せます。底面は平らにしておくと熱が伝わりやすいです。
3. フライパンの上にアルミホイルを敷き、その上にチップを載せたアルミホイルの容器を載せます。ちなみに、今回使用したフライパンは鉄製の炒め鍋です。
4. チップから煙が出るまでガンガン加熱していきます。熱伝導の良さと耐久性の両面から、テフロン加工よりも、鉄やアルミ製のフライパンの方が適しています。
5. 網を敷いて肉を載せます。この時、肉の脂がチップに落ちると火が出ることがありますので、スペースに余裕があれば肉の下にチップをおかない方が安全です(今回は余裕がなかったので堂々と置いています)。加熱中は火のそばを離れないでください。
6. 煙とともに、チップと砂糖による甘いカラメルのような香りが立ってきたら蓋をします。今回は鉄のフライパンを重ねました。
7. 煙が出ないようにぴったり蓋をすれば、換気扇を回したキッチンでそこまで匂いは広がりません。
8. 構造上できる隙間はアルミホイルを挟むことである程度塞ぐことができます。
9. 前回作ったときはステンレス製のボウルで蓋をしました(おすすめ)
蓋をしたら、いよいよ50分程度の薫製タイムです。
火加減は常時「弱火」です。
途中で蓋を開けたくなるジレンマに苛まれながらも、辛抱して待ちます。
50分が経過し、ワクワクしながら蓋を開けると…
自家製ベーコンの完成です!
手作りだからこその際立つ薫りと旨み
煙で燻しただけなのに、なぜこんなにも美味しそうな飴色に仕上がるんでしょう。
網を使うと裏面も含めて全体的に満遍なく燻すことができます。
100円ショップなどでも置いてあることがありますので、探してみてください。
すぐに食べてみたい衝動に駆られると思いますが、粗熱を取った後に冷蔵庫に入れて一度冷やしましょう。
これで旨味を肉の中に閉じ込めることができます。
スモークした後のチップです。家庭で手軽に薫製する場合はそこまで深く加熱しないので、チップは少なめでいいかもしれません。
なお、
スモーキーな香りと甘いカラメルの風味は個人的に欠かせないポイントです。
お茶の葉も使うと深みがでますが、それよりもカラメル香を出すための砂糖はぜひ使用してください。
スライスすると、このようなピンク色の仕上がりとなっています。
美味しそうな桜色ですが、必ず加熱して食べてください。
保存性を高める場合は、もっと薫製時間を長くした方がいいですが、美味しすぎるので大抵の場合1週間程度で食べ切ってしまいます。
もっとも、冷蔵庫に入れておけば十分に日持ちしますので、家庭用では50分程度のスモークで問題ないと思います。
自家製ベーコンの世界へようこそ
ということで以上、屋内で作れる自家製ベーコンの簡単レシピでした!
薫製器や、温度計など、作り込む場合には専用の道具がたくさん必要になりますが、ベーコンを短期間で使い切る家庭環境下では、そこまでの用意は実は必要ありません。
それよりも、まずは熟成肉の旨みと、自家薫製の香りをいろいろな人に味わっていただきたいと思います!
自家製ベーコンを一度食べてしまうと、市販のベーコンを食べられなくなってしまうほど、その差を感じてしまいます。
たった60分の薫製でまとったスモーク香は、使い切るまでの間ずっと残っており、そのまま焼いて食べるのはもちろん、料理の食材として使うことで主役級の存在感を発揮してくれます。
市販のベーコンについているスモーク香は、大抵の場合は香りをつけているだけのもので、直接燻しているわけではありません。
じんわり煙を浸透させた自家製ベーコンだからこその味わいはここにあるのです。
私はこれからも、自分のために書いたこの記事を逐一確認しながら、自家製ベーコンを作り続けていく所存です。
みなさまもぜひ、私と一緒に手作りベーコンの世界を楽しんでいきましょう!
それではまた!
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